障害児者の支援において「家族支援」という文字をよく目にされると思います。
この「家族」とは、以前は育児のキーパーソンになる母親を指すことが多い時代でした。ポーテージ
協会も先の時代に沿い「親支援」を行っています。とはいえ、家庭で父親にも参加していただく課題設定、きょうだいが居ればきょうだいと共に育つアドバイス、など、各相談員は家族構成を視野に入れて行ってまいりました。

国の流れとして、2016年の発達障害者支援法改正時に「発達障害者の家族などへの支援の強化」と、
ここに【家族など】と記載されました。それにより、母親を指すことが多かった支援の対象が、父親、きょうだい、祖父母、また、家庭の事情で実親でない養育者にも広がり、家族に対する取り組みの充実が期待される社会になってきています。

2019年度ポーテージ友の会において「きょうだいについて」の取り組みを提案させていただきました。
きょうだいにはきょうだい独自の考え、悩み、一般社会と障害当事者の社会の複合的立ち位置における葛藤など様々あります。ここで「きょうだい」について考える機会を設けたいと思い今回実現しました。家族という軸をベースに親同志が横のつながりを持つように、ポーテージ協会においても、きょうだい同士つながりができ、共に支え合うしくみができると理想的だなと思います。今後、父親、きょうだい、祖父母についても、継続的に考える機会を増やしたいと思っております。

日本ポーテージ協会 認定スーパーバイザー
自閉症スペクトラム支援士(アドバンス)
日本ペアレント・メンター研究会理事
加藤 香
(ポーテージポスト2020冬号より)