ポーテージプログラムのチェックリストは一般的な子どもの平均発達を標準に作成されています。自閉スペクトラム症などのように発達の偏りが大きい発達障害のある子ども達に適用する時には、発達を支援する方法や教材・教具についても工夫する必要があります。

物理的な構造化や視覚的な構造化の考え方や下の6つのポイントをおさえることによって、自閉スペクトラム症の子ども達に選び出された行動目標が理解しやすくなり、楽しんでくれることも多く見られます。

1. 子どもの好きなお店のロゴ、好きな言葉、好きなパッケージなどを積み木に貼るなど、子どもの興味関心に合わせる
2. 言葉が出ない子どもには言葉を使う機会を作るなど、伝達の方法を教える
3. 一人ひとりの学び方の特徴に応じて行動目標を選び出して、「ぼく、できちゃった」という達成感を
4. いや、いらない、思いとは違うときなどには適切に断る練習をするなど拒否と依頼ができる子どもに
5. 学習場面だけでなく、お片付け、着替え、排泄なども視覚化を工夫
6. 成功が家族の自信になるには、もっとも自然な環境である家庭を軸にしてエンパワメントすること

ポーテージ相談員はそうした親(保護者)や家族に寄り添うことを通して、親や家族が子どもの発達支援に成功することこそが願いです。

日本ポーテージ協会 認定スーパーバイザー 小坂正栄
(発達が気になる子どものためのポーテージプログラム入門
0歳から家庭でできる発達支援 合同出版 より抜粋)