インクルージョンとは、障害がある子どもとない子どもが共に学ぶことと近年は言われがちですが、ただ一緒にいるだけではインクルージョンとは呼びません。インクルージョンは障害のあるなしに関わらず、一人ひとりのニーズに応じた特別なニーズ教育を目指していくものであり、Education for allとも呼ばれているものです。

身長の発達をみても個人差が大きいのに、脳認知発達も個人差があります。それなのに、年齢で課題を決めて、同じ年齢だから同じ教材でいいのでしょうか?人間誰しも苦手なことを頑張るのは辛いことですが、得意なことを頑張るのは楽しいことになります。そして、得意/苦手は絶対的なものではなく、しょせんその集団内の相対的な位置にすぎません。
インクルージョン・インクルーシブ教育のはじめとなるユネスコのサラマンカ声明(1994)においても、「すべての子どもは誰であれ、教育を受ける基本的権利をもち、また、受容できる学習レベルに到達し、かつ維持する機会が与えられなければならず」とあるように、単に場が一緒になればいいのではなく、障害があるなしに関わらずすべての子どもに受容できる学習レベルの保証が求められています。
またユネスコを中心としたインチョン宣言(2015)においても、障害のあるなしにかかわらずすべての子どもに対してインクルーシブ教育のもと公平・公正な質が高い教育と生涯学習が主張されています.これは,SDGsの教育に関するものとなっています。
ポーテージプログラムは応用行動分析の原理のもと、行動の理由を障害や年齢のせいにすることなく綿密なアセスメントのもと個別の行動目標を設定し、個別の指導計画の作成を重要視することを開発されてから50年近く大事にしてきました。そして共に学びながらも、個人のスキルの獲得と発達をしっかりと支援していくことを今も大事にしています。まさしくインクルージョンの目的に合うものだと考えています。

日本ポーテージ協会 理事・認定スーパーバイザー
星槎大学共生科学部教授
西永 堅(書き下ろし)
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