個別支援計画の作成にポーテージプログラムの活用を

親や家族、そしてポーテージ相談員にとっても「行動目標」を子どもが達成し、その満面の笑みを受け止めながら「やったね、できた!」と喜び合うときほど、至福の瞬間はないと思います。そんな充実した達成感に裏打ちされ、全国で多くの児童発達支援センターおよび事業所、保育所、幼稚園が現在児童発達支援にポーテージプログラムを活用しています。

2017年7月に児童発達支援が提供すべき支援の内容を示し、支援の一定の質を担保するための全国共通の枠組みを示す目的で、「児童発達支援ガイドライン」が厚生労働省において策定されました。このガイドラインでも強調されているように、支援の質の確保とその向上、そして障害のある子どもの一人ひとりのニーズに合った質の高い支援の提供が今日求められています。ガイドライン策定委員会には日本ポーテージ協会理事の大塚晃先生も座長として大きく関わっています。

児童発達支援における個別支援計画の作成に当たっては、子どもの将来を見据えた発達支援や家族支援を、身近な地域において実施することが重視されています。ポーテージプログラムの特徴の一つが親が家庭で行う指導です。これは親に子どもの発達を見る目と子育ての力を養い、子どもにとって自然な家庭という環境の中で、親が中心となって家族の協力を得ながら子どもの発達支援が進められるように、親・家族支援を行っていくもので、児童発達支援の考え方とよく重なっています。

また6つの発達領域における子どもの発達アセスメントを通して、「行動目標」を選定し、PDCAサイクルで子どもに行動目標を確かに実現させようとする点も、よく符号しています。

このようにポーテージプログラムは、児童発達支援における個別支援計画の作成・実施に、おおいに利便性があると確信いたします。

日本ポーテージ協会 会長
日本体育大学 教授(特別支援教育)
清水 直治
(「やったね、できた!II-児童発達支援、保育、教育現場のポーテージプログラムの実践-」より)