「インクルーシブ保育モデルの開発」研究プロジェクトの公開
幼児教育研究プロジェクト リーダー
認定スーパーバイザー 山下由紀恵
「幼児教育を行う施設(保育所・認定こども園・幼稚園)のためのインクルーシブ保育モデルの開発」研究プロジェクトについて、これまでの成果をふまえて、『インクルーシブ保育の実践 <検討会>』を、オンライン(Peatix経由YouTube)で公開しました。配信期間は、2025年2月9日(日)から3月31日(月)まででした。
公開後の参加状況とその内容
このポストを書いている段階では公開後37日目ですが、さまざまなソースから約770件以上の、Peatixページ閲覧がありました。中でも直接閲覧が圧倒的に多く、個別にURLを拡散広報して下さった方々の、この領域への関心の高さがうかがえ、有難く感じたところです。公開YouTubeは、以下の内容で全体で2時間半!、現時点までで、100名の方が視聴参加を申し込んでくださいました。この後も増えると思われます。この「インクルーシブ保育モデルの開発」研究への関心の高さが、さらにわかり、この領域への社会的ニーズを感じています。
【第1部】 1. 挨拶 日本ポーテージ協会会長 清水直治
2. 研究プロジェクトからの検討課題の提起
【第2部】 3.<検討会>
講師: 筑波大学名誉教授 園山繁樹
講師: 東京学芸大学教授 橋本創一
協議参加: 東京学芸大学特命講師 小柳菜穂
日本ポーテージ協会認定SV 吉川真知子、緑川桂子、 山下由紀恵
4.挨拶と次年度事業紹介 吉川真知子
研究プロジェクトからの課題提起の【第1部】、講師陣を交えた課題分析と検討協議の【第2部】を通じて、個別ニーズのある子どもとそのクラスのインクルーシブ保育の実践から、「インクルーシブ保育実践の条件とは何か?」に焦点をあてて検討をすすめました。
【第1部】では、2022年度2023年度にご協力頂いた、全7県の保育所・認定こども園・幼稚園の、のべ16園24事例の年少・年中・年長クラス保育実践と子どもの変化を通して、検討課題を3点焦点化しました。
まず、幼児教育の支援・指導計画立案の入り口として、個別ニーズのある子どもを理解するための手法はどうあるべきか、次に、このプロジェクトで開発した、クラスの指導計画と個別の指導計画の一体化モデルとはどのようなものか、そしてその成果を報告し、課題を検討しました。
最後に、併行通園を体験している子どもの場合、幼児教育施設のような「ともに遊び生活する」場で育つことと、「障害特性に応じた個別指導(特別支援)」の場で育つことの、いずれも学びとして必要であることをふまえて、地域の中で双方の発達支援計画をつなぐ工夫、さらに幼小連携をつなぐそのコンサルテーションはどうあるべきか、について検討しました。
【第2部】では、講師の方々のご助力により、新たな課題に検討を進めることができました。プロジェクトが提起した課題のほか、さらに「環境調整」の手法や、「援助方法」のスモールステップでの計画立案のスキル等の、新たな現場研修はいかにあるべきか、地域格差がある中での、コンサルテーションはいかにあるべきかなど、インクルーシブ保育実践のための、今後の喫緊の課題が協議され、貴重なご助言をいただきました。
2025年度の研究プロジェクト方針
<検討会>を通じて明らかになった今後の課題をふまえつつ、プロジェクトとしては、中期計画の最終年度2025年度に、「新たな現場研修」の一助となる「インクルーシブ保育モデル導入研修」の研究に取り組むことを計画中です。
2025年8月頃にオンラインで定員を設けて試行する予定で、子どもの発達特性をとらえ、個別の教育支援計画・指導計画を立案するという、少人数演習型の研修プログラムの構成をめざしています。この「インクルーシブ保育モデル導入研修」に関する受講者意見の集約と改善策の構築を、最終年度の成果とできればと計画しています。
現時点のプロジェクトとしては、3月末の公開の最終段階までの様子を見守っているところですが、現場で確実に引き継いで行ける保育方法論として、この領域での社会貢献・地域開発に、このモデルの導入研修の構築が寄与できることを切に願っています。
日本ポーテージ協会事務局より