やっててよかったポーテージ

 「どうやって教えるか」「何につながるのか」のコツを学ぶ

  認知41 まねをして、円を描く

 茨城県 岩瀬町福祉センター(当時)

ポーテージ相談および集団指導

安達知子さん

 

子育て奮闘中のポーテージとの出会い

「あたしってなんでこんなダメなママなんだろう」

言葉が遅かった息子のために少しでも早く子どもたちの中で過ごさせてあげたいと思って3年保育で入れた幼稚園。しかし「あれができません、困っています」と頻繁に電話がかかってくることに不安を感じる毎日でした。そんな中、園から紹介されて保健センターで行われていたポーテージ相談に出会いました。

そこでは月一回の個別相談と月二回のグループ指導がありました。ポーテージの考え方は子どもの発達を知らなかった私にはとても新しいものでした。「短い言葉でわかりやすく」「伝わらなければ言葉を替えてみよう」。一緒に手をもって線を引く、そんなことでほめていいなんて思ってもいませんでした。横線を引く、丸を描く、四角を描く、三角を描く、顔を描く、と段々ステップアップしていき、気づけばのびのびと絵が描けるようになっていました。文字や数を書くことにもつながっていったのも思えばあの一緒に引いた横線がスタートでした。

日常生活の中でのさりげない課題設定、お手伝いなども「できなくてもいいけど、やり方を教えてもらう」ことができて、母親として軽い気持ちでコツコツと取り組んでいくことができました。また絵カードを作って見せることで同じことを何回も言わなくても伝えられる、むしろよりよく伝わるということが親のストレス減少に大きく貢献しました。

相談が終わってからもポーテージが支えに

就学と同時に月三回のポーテージは終了となりました。しかしどうしても先生とのつながりを断ちたくなくて、私はグループ指導のスタッフとして息子のポーテージ相談卒業後も5年ほど手伝わせてもらいました。他の子の指導を通して、ポーテージの考え方や技法をより深く学び、自身の子育てにも、その後生まれた下の子にも活かしていくことができました。あの時先生に「子どもを信じてあげようよ。できないことより、できることを見つけてほめて育てようよ」と言われて救われた私は、現在地域の小学校で支援員をしています。ポーテージは障害のあるなしにかかわらず、お母さんだけでなく子どもにかかわるすべての人に学んでほしい技法だと日々感じます。

ポーテージ相談を受けることで学んだ自作の視覚支援カードを使う安達さん

息子は現在準社員として仕事をして、休みの日は庭木の手入れや自分の好きな料理を作ったりして過ごしています。たまーに家族を外食に連れて行ってくれます。周りの人に重宝される働く大人に成長したことを嬉しく思っています。

「やっててよかったポーテージ」はポーテージ相談を受けた親御さんが相談を振り返って、「この課題をやっててよかった」「月に一度の相談があってよかった」という声を掲載いたします。