コロナ禍の子育て支援

日本ポーテージ協会 運営委員

小倉輝久

長期戦ともいえるコロナ禍の社会。
今までとは違う環境の中で多くの場面で成長のためのスキルを奪い去っていることを感じませんか?
子育て中の親御さんの家庭でも手探りで生活スタイルを求められている世の中で、子育て中の相談や虐待相談が激増しています。

人間社会にとって虐待とは

虐待防止のための施策の中でも最も根幹的なポイントがあることを忘れてはいけません。
それは、どの人であっても「虐待はありえない」と言い切ることはできない、ということです。
大人でも子どもでも、人間としてひとり一人の心の奥底に自分より弱い立場の人を犠牲にする本能があることを忘れないでほしいのです。
どんな親御さんであっても家庭の中で虐待は100%あり得ないと断言できない事をまず自覚してほしいのです。

 

子育ての中で虐待的環境を回避するために

~どの親御さんでも思い当たることがある心の叫び~

    • こんなことわかんないの
    • 何で約束を守れないの
    〇〇ちゃんはできるのに何であなたはできないの

自分の思うように言うことを聞かない、本のみの情報で目標や課題にお子さんがついてこれない事に対する焦りや憤り。
それが結果的に子どもに過度な強要をし、最近は学齢期になって「教育的虐待」とまでいわれています。

 

ポーテージ相談が担う今の時代の子育て支援

そこで、思いあたる事を回避し少し煮詰まった気持ちをクールダウンしてくれる考え方や方法、それがまさにポーテージプログラムです。
お子さんひとり一人の発達段階をふまえ、得意・不得意、性格、家庭環境が様々のご家庭に寄り添ったプログラムを、
相談員と共に子育てを応援していきます。
ここで大切なのは相談員などから直接アドバイスを受けながら無理なくすすめていける事。

子どもが成長していくあゆみの中で幾度となく集団やかかわる大人が変わっていきます。
生まれた時から変わらないのが母親であり父親です。
親御さんを子どもの良き理解者であり養育者として応援していきたいという願いがポーテージプログラムの根底に流れている理念です。
無理なく丁寧に助言をもらいながらそして悩みを共有しながら子育てに生かせる事ができる。
今の時代だからこそ大切な子育て支援の在り方のひとつだと思います。


※小倉輝久:長野県在住、現在は放課後等デイサービスをはじめとする多機能事業所の障害福祉コーディネーター、児童指導員。諏訪市児童発達支援施設清水学園長、川崎市中央療育センター通園施設長、北部地域療育センター所長を歴任。元帝京科学大学非常勤講師。