「生きる力を未来へ ~ポーテージプログラムの親・家族支援~」

私の息子は、18歳で自閉症と発達遅滞の障がいがありますが、現在、就労移行支援事業所に楽しく通っています。
自立訓練で、見守りは必要ですが、通勤の練習中です。
ポーテージは、3歳に知り合いのお子さんの指導を見たのがきっかけです。
多動や言語がなく悩みが尽きず、先生に相談したら、「口元を見ていないので、動かし方が分からないのよ」と即答でした。
二人目の子育てですが、目から鱗です。課題を持ち帰り、教え方と、イラストや先生からのコメントを入れ一覧にしたものを、共有し、障がい児デイサービスや家族にも同じように接してもらうようお願いをしました。
私が教わった事を同じようにしてくれる事は、とても有り難いです。連絡ノートなどで情報交換はかかせません。

先日、親の会のお母さん達と話す機会がありました。
日々、子どもの成長の見通しがたたない中、進まない課題を目の前にすると、母親自身に余裕が無くなり、何も出来ぬまま、次の指導日を迎える事もあるそうです。先生は、その時でも出来なかった事を責める事はせず、違う方向からのアプローチや、その場で出来る事は、やり方を見せてくれます。子育てだけでなく、障がいへの理解が進まない家族や周囲の方への悩みを聞いてもらう事で、就学前後の不安を受けとめ、常に前向きに肯定してくれました。
指導前は、憂鬱な気持ちで迎える時も、話をして不安も和らぎ、また頑張って子育てしていこうと改めて思えます。
やはり、子の側にいる母親の気持ちが元気にならないと、余裕を持って子どもに向き合えません。

ポーテージは、生きる力を未来へと繋いでいきます。母親から、関わる人達と共有する事で支援が増え、子ども自身の環境や生活の質が良くなります。出来ない事が目につきやすいですが、課題も、何か工夫をすれば出来る事もあるので、前向きに捉えて、これからも先生には、希望を持って、私たちの背中を押していってもらえたらと思います。

(ポーテージポスト2018年夏号より)
日本ポーテージ協会 埼玉花崎支部会員 田村 ゆき