やっててよかったポーテージ

「事前に説明すること」の大切さ

社会性51 言われるとやっていることをやめて親の言うことに従う

東京都 世田谷目黒支部

三木順子(認定相談員)

「だめ!」がなかなか理解できない

息子は2-3歳頃、歩くことが楽しくなってきたためか、一緒に手をつないで歩いていても、私の手を振り払ってスーパーマーケット内や療育からの帰り道で行きたいところに勝手に走って行ってしまうことがしばしばありました。

当時の私はただ強く「だめ!」と言ったり無理やり制止したりしていましたが、それでは全く改善せず、困り果てていましたし、ストレスだったと思います。

息子には姉がおりますが、姉に対しては通じてきたやり方(強く言う、無理やり制止する)が全く通用せず、息子はふざけて走って行ってしまうか、全く動かなくなるかのどちらかで、こちらもイライラが積み重なり、毎回の買い物がストレスでした。

2歳ごろの息子

もらった具体的なアドバイス

ポーテージ相談では、

・やって欲しくない行動をしたときは少し嫌な顔をしながら「それはお母さん嫌だな」と簡潔に伝える。

・あまり反応しないこと。安全な場所であれば、走って行ってしまっても無視して、もし戻ってきたら大いに褒める。

・スーパーに入る前などに「走ったらおやつなしだよ」など事前に話をする。

・もし走ってしまったら、「走ったからおやつなしね」と伝える。

の応用行動分析に基づいた4つの具体的な対応方法を教えてもらいました。

今までの自分の経験では「怒る」ということが当たり前だった中で、この方法で本当に通用するのか、当初は半信半疑ではありました。

実際に試してみた効果

ですが実際に実践してく中で息子は徐々に勝手に走り去ることが無くなっていきました。

特に療育の帰り道が印象的でした。以前は私が追いかけるのが楽しいのか、様子を見ながらどこまでも走り去ってしまっていたのですが、あるときから私も、(安全な場所では)追いかけずに無視をして背を向けていたら、こちらに戻ってくるようになったのです。

その時は心からの笑顔で褒めました(笑)。

今でも慣れているスーパーではお菓子売り場に行ってしまったりすることもありますが、お互いの居場所もある程度わかっている上での行動でもあり、また声をかければ戻ってきて買いたいものを話しあったりすることができるようになったのでとても頼もしいです。

小学校に入ってからは徐々に手をつながなくても、しっかりと近くを歩いてくれるようになり、成長を感じています。

 事前に説明することの大切さ

この課題のときもなのですが、「事前に説明すること」の大切さを土橋先生に教わりました。どうせ説明なんかしてもまだわからないから、とこちらが勝手に判断し、説明なしに物事を進めてしまったり、行動を制止してしまったり、当時の私はそういったことが多々あったと思います。

ですが、先生から「なぜだめなのか、説明をちゃんとすること」と教えていただきました。同時に、「説明をすることで、きっと理解力がついてくるから」と希望の持てるお言葉もいただきました。

そこからは私も息子に対して何事にもなるべく説明をするよう努めています。

今でも公共機関を利用する際のルールや身だしなみの大切さなど、成長とともに教える必要のある事柄は出てきますが、なぜそうしなければならないのか、を息子にも説明をし、また、それに対して息子も話を聞く姿勢が身についていると感じます。

とはいえすぐに望ましい行動が身につくわけでもなく、親子で成長途中ではありますが、これからも相談を通して土橋先生に息子の成長を見守っていただけたら有難いです。

ポーテージ相談員としても伝えていきたい

現在私もポーテージ相談員として相談を受け持たせていただいておりますが、相談に来て下さる親御さんにはこの「説明すること」の大切さを伝えることに努めています。

「まだ理解できないと思わないで是非説明をしてあげてください」とお伝えし、お子さんの目を見てゆっくりお話しするとお子さんもしっかりこちらを見てうなづいてくれたり、そのようすを横で見ている親御さんに対しても「しっかり聞いてくれましたね」お伝えします。

何というか、お子さんも一人の立派に成長する力のある人間として見てあげたい、見るべきだ、という思いが共有できる瞬間だなあと感じています。

今年の友の会に親子で参加

親として、息子に対して何かをするときには今でも最初に説明をする癖がつきました。また息子は今でも何か注意されることがあってもまず親の話を聞き、自分の気持ちを言い、必要な時は行動を切り替えるようになりました。

公共のルールの理解や、宿題などやるべきことをやるという自律はこの課題からつながっていると感じます。


「やっててよかったポーテージ」はポーテージ相談を受けた親御さんが相談を振り返って、「この課題をやっててよかった」「月に一度の相談があってよかった」という声を掲載いたします。