やっててよかったポーテージ

言語59  5分くらいの物語を読んだ後で、内容を聞くと答える

埼玉県 家庭訪問によるポーテージ相談

 下里まりこ

 

「継続は力なり」本が大好きな子になりました

ダウン症・点頭てんかん‥大きな不安からのスタート

ポーテージを始めたのは、11か月の時。点頭てんかんを発症してから、表情や動きが鈍くなってしまい…一番不安に思っている時期でした。でも、相談を受けながら、徐々に前向きな気持ちになれ、絵本の読み聞かせや親子のコミュニケーションを大切にして子育てしてきました。

相談を始めた頃の美月ちゃん
猫ちゃんといつも一緒

 

本選び・読み方・聴き方‥我が子に合わせて

言語59の課題は、7歳になってから開始。そのころは、『ゆうたくんシリーズ』をよく読んでいました!字が大きく、言葉が短い‥しかも、動物が好きな娘には、犬目線で、話が進むのが面白かったようです。

・絵が大きくて鮮やかなもの。

・字が大きく、一文が短いもの。

・食べ物や動物がのっているもの。

今も猫ちゃんの本が大好き

そんな視点で色々な本を選び、読み続けました。じっと座っているのが苦手でも、本を読む時は、大人しく座っていました。娘の反応を見ながら、娘が分かりやすい言葉に変えながら読んだりも。さらに、ストーリーだけでなく、挿絵にも着目させ『猫かわいいね~』『これ、美味しそうだね~』と会話をしながら読み進めました。

課題に関しては‥全部読み終わってからだと、忘れてしまいがちだったので、次のページにいったら『さっき、この子何してた?』と話の途中で内容を聴いたりしていました。日常生活でも記憶力や語彙力もアップし、8歳過ぎたころからは、最後まで読んだ後でも、自分なりの表現で質問に答えられるようになりました。

図書館通い‥ポーテージを振り返って

 その後も読書が大好きで、2週間に1回、パパと図書館に行き、本を10冊借りてくることを何年も続けています。自分で選ぶことを、パパも大事にしてくれるので、帰宅後は毎回、嬉しそうに本を見せてくれます。本のお陰で、字もたくさん覚え、音読も上手になりました。

パパと図書館の本を一緒に


 言語の表出は少ない我が子でしたが、絵本を子育ての柱にすることで、家族のコミュニケーションを弾ませることができました。発達を促すことの難しさを抱える日々でしたが、絵本だけでなく、ポーテージを通して「継続は力なり」という言葉を実感する子育てができました。「美月ちゃんならできますよ」という先生の力強い言葉をいただきながら、夫婦で我が子の可能性を信じて毎日関わることができました。近頃は「パパ、お仕事がんばってね。」と相手を気遣う言葉も増えてきました。我が子の成長と、自然に培われた優しい気持ちは、本とポーテージ相談の賜物と思います。


美月ちゃんは、現在5年生。0歳で起きた点頭てんかんの発作はその後はなく、年子の妹の遥香ちゃんと毎日元気いっぱいに登校しているそうです。ママを争うように泣いていた頃の2人がなつかしい。優しくがんばり屋のご両親。お子さん達も素敵に成長。美月ちゃんの読み聞かせを楽しみに、今度お邪魔させてくださいね。(相談員・桜井)

 

「やっててよかったポーテージ」はポーテージ相談を受けた親御さんが相談を振り返って、「この課題をやっててよかった」「相談があってよかった」という声を掲載いたします。