困り事への対策案で親支援 ー イヤイヤ期の子どもと向き合う現場から
認定相談員 髙橋玲子
今何をしているのか、子どもの行動を観察
親御さんからの相談の中で多いのが、イヤイヤ期のお子さんへの関わり方です。
「イヤ」と言葉で拒否、つまり意思表示できるようになったことは子どもにとって発達過程での大きな一歩でもあるのですが、
大人:これ食べて
子ども:イヤ
大人:お片付けしましょう
子ども:イヤ
大人:もう帰るわよ!
子ども:イヤ
と拒否ばかりされると大人の方もまたか…という気持ちで笑顔が曇ってしまいます。
子どもの今やっていることを終わりにさせて、次のことへと行動の切り替えをさせたい時は、
まず子どもの行動をよく観察してみてください。
子どもは今何に注目しているのか、手にしている物をどうしようとしているのかなど。
今やっていることの切りの良いところ、やりきったところで、「○○になったね!」とポジティブな声かけをして目を合わせてから誘うと
応じられる気持ちになるかと思います。
提示した物を「イヤ」と拒否する子どもに対しては、物を二つ用意して「どっちがいい?」と選ばせるのが効果的です。
「どっち食べる?」と見せた二つのおかずから、「こっち」と子ども自身で一つを選べた子どもは受け入れて食べます。
名前を呼ばれると「はーい!」と手を挙げるのが好きな時期の子どもに対しては、
「これ食べる人!」「お片付けする人!」の言葉かけをしてみてください。
乗って手を挙げたら「すごい!できるのね!」と半ば驚いて見せて。すると実行できる子どもが多いです。
子どもに無理強いをしていないか?
タッチした画面が直ぐ変わることに慣れて3秒待つとイライラする今の時代ですから、
指示しても直ぐに動かない子どもへすかさず同じ指示を繰り返し、どんどん強めの声になっていくことも多いかと思います。
大人側が強い声になると子どもの「イヤ」も大きくなり、時間に追われるあまり子どもを抱えて無理やり移動させることでその場を収めているでしょうか。
タイミングを見て、違うアプローチも
指示の言葉を聞こうとしない子どもには、本人にとって得のある指示を出してみてください。
例えば、デザートを用意して「スプーン持って来て!」
動画を付ける前に「リモコン取って!」と。
これに応じるなら、指示が入る・その物の名前を認知できていると見られます。
このような行動の結果が子どもにとって褒美となる場面ではあえてほめる必要はありません。
「イヤ!」だけでなく、「〇〇しない」という否定語を多く使うこの時期の子どもに対して、
イヤイヤ期というレッテルを貼るだけでなく、「イヤ」と拒否されたら一旦引っ込めて待ちタイミングを見計らう、違うアプローチをしてみるなどを心がけてみてはいかがでしょうか。
髙橋玲子さんは東京都世田谷目黒支部、港支部でポーテージ相談をされています。新規相談ご希望の方は協会本部までお問い合わせください。(広報)