やっててよかったポーテージ 家族みんなのポーテージ
身辺自立49 箸ではさんで食べる
世田谷クローバー支部 家庭訪問相談
金子 明子
2歳5か月でポーテージ相談を開始
ポーテージを始めたのは息子のYが2歳5か月、なかなか歩かないけど何かできることはないかと思って支部に見学に行きました。
小さいころから食べることが好きだったYですが、母親として箸は正しく持ってほしいと思っていました。
今から振り返ると、箸を正しい持ち方で使えるようになるにはたくさんの準備段階が必要なことがわかりました。
家庭での身近な生活や困りごとに対応
指先の力が弱かったので、ポーテージ相談の中では指先を強くする遊びをたくさん紹介してもらいました。苦手なはずの課題でも、相談で段ボールに洗濯ばさみをはさんで楽しく遊んでくると、きょうだいと一緒に遊ぶ一環となり日常生活の中で取り組むことができました。また箸を使って、細かく切ったスポンジを励ましてもらいながらつかむ遊びを相談中にしていました。食事の場面ではないところで十分な練習をすることで、Yが大好きな食事中にいやな雰囲気にならずにすみました。
食事の時に箸を使う時間を短く設定し、そのあとは上手く使えるフォークやスプーンにもどして、箸を使うのをいやにならないようにしました。少しずつ長い時間をかけてでも正しい持ち方でゆっくり食べることにつながり、大好きな食事をみんなで楽しんでとることができるようになりました。
その他にも衣服の着脱なども細かくステップを組んで課題にとりくんだことにより、小学校就学時には自分での着脱が上達していて、学校生活をスムーズに始めることができました。
中学生の現在でも相談は続けて
ポーテージプログラムはダウン症で発達に特性のあるYだけでなく、その姉や妹の子育てにもとても役立ちました。母親である私自身も発達の道筋を学び、周りの子どもにもその子にあった順番で教えることが有用なことがわかりました。
難しそうな課題でも姉が面白がってまねをするとYもまねをしてとりくもうとしたり、その時のYなりの取り組み方を提案してもらいました。下の妹にはお兄さんとして見本を見せたり教えたりということができて、さらにやる気がでることもありました。
中学生になった今でも定期的な家庭訪問を続けてもらい、ゲームをしながらポーテージの課題を見つけてとりくんだり日常生活のことを話し合っています。最近は言語での説明をする練習をしていますが、Yが理由や説明をするのがとても上手になったという話を家族でも感じています。