インクルージョン保育のための

グループ指導カリキュラム

  • 1.特徴

     インクルージョン教育とは、「子どもは一人ひとりユニークな存在で、違っているのが当たり前であり、すばらしいことである」ことを基盤に、一人も仲間はずれにすることなく、すべての子どもを包み込む教育システムを構築し、その上で一人ひとりのニーズに応じたきめこまやかな教育を展開しようとしたものです。

     このカリキュラムは、発達に遅れや偏りのある幼児にそれぞれの保育の場で適切に対応しながら、障害のある幼児もできるだけ同じ集団活動に参加できるようにという方向性を明確にするために、「インクルージョン保育を展開するための」という表現を添えています。

  • 2.構成

    (1)チェックリスト

     グループ指導に参加する子どもたちの現在の発達水準を把握するたチェックリスト

     

    (2)解説書

     『幼児・グループ指導カリキュラム』の作成の経過や理念、遊び単元による指導の実際などを説明

     

    (3)「遊び単元」の例

     

    (4)使用マニュアル

     『幼児・グループ指導カリキュラム』の使い方の説明

     

    (5)行動目標一覧

      全行動目標を1枚の用紙に記載

     

    (6)DVD「育ち合う保育」

     『幼児・グループ指導カリキュラム』の解説、現場の様子などを映像化

  • 3.指導の進め方

    ①「幼児・グループ指導チェックリスト」使って、集団の一人ひとりの発達状態を把握する。

     

    ②親や家族などからの報告や子どもの行動観察を参考に、一人ひとりの子どものこれから指導しようとする行動目標を、チェックリストから選び出す。

     

    ③チェックリストから選び出された一人ひとりの行動目標を、「日常生活の指導」や「遊び単元」などの指導においてどのように指導するか考える。

     

    ④「日常生活の指導」では、一人ひとりの子どもに関連した行動目標に則して、必要な場面で、必要な量と質の援助を加えながら指導を実施する。

     

    ⑤遊び活動を展開しながら。その「チェックリストの行動目標」にあげられた行動目標の状況を、一人ひとりの子どもにおいて確認する。

     

    ⑥それぞれの子どもにおいて行動目標の達成を確認する。達成された行動目標があれば、その達成年月日を「幼児・グループ指導チェックリスト」に記入し、さらに新しい行動目標が設定され、達成されなかった行動目標とともに、次の「遊び単元」の中で関連した行動目標についてグループ指導を継続する。

     

    ⑦たとえば学期末などの3~4ヵ月くらいをめどに一定の時期に、定期的に「幼児・グループ指導チェックリスト」を使って、一人ひとりの子どもについて、その時点での行動目標の達成状況を各行動目標の下段の評定欄に記入する。

  • 4.アセスメント

     一人ひとりの子どもに適切な対応をするには,1人ひとりの子どもの発達を的確に把握することが必要です。そこで「幼児・グループ指導チェックリスト」を使って,グループに属する子ども(必要な子どもを中心に、場合によっては全員)について初回のアセスメント(発達アセスメント)を同じ時期に行います。

     

     新年度の初めには,日常の生活や遊び場面でしばしば起こり,観察や記録がしやすい“衣服の着脱”や“食事”,あるいは,挨拶などの「身辺自立」や「言語・コミュニケーション」などの発達領域に属する行動目標のアセスメントからはじめ、それ以外の発達領域のアセスメントについては,保育園や幼稚園の生活に慣れてきてから行うとよいでしょう。必要に応じて,親や家族からも子どもの様子を聞いてみるとよいでしょう。

  • 5.多層水準指導とは

     アセスメントをもとに,発達水準の異なる一人ひとりの子どものニーズに個別に対応しながら,グループで共通な目標に沿った集団活動をグループの全員で行います。これを「多層水準指導」と呼びます。「多層水準指導」を行うことによって,発達の障害の程度や種類に関わらず,共通するグループの目標に向かって,グループの全員が集団活動を展開することができます。

  • 6.評価と記録

    ①「幼児・グループ指導チェックリスト」による評価

    ②「遊び単元」によるグループ指導や「日常生活の指導」の途中での評価

     

    「幼児・グループ指導チェックリスト」による行動目標の達成評価は、それほど頻繁に行うわけではありません。原則として、月末や学期末、年度末などの指導の区切りの時期に実施します。

     

    しかし、指導途中で行動目標が達成した、途中での子どもの行動を観察・記録することが重要です。

     

  • 7.使っている人たちの声

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